2010年12月23日木曜日

■日本の児童虐待の現実


 日本では、児童虐待に関する相談件数が毎年4万件以上も児童相談所へ寄せられ、今なお右上がりで増え続けています。



 これは氷山の一角。
 現実の児童虐待はこの何倍も多いと容易に類推できます。

 世の中には、児童相談所に相談をするのをためらう親もいれば、児童相談所の存在すら知らない親もいるのですから。

 こうした残酷な現実に対して、日本の児童福祉は十分な対策をとっていません。
 それについては、このリンクをご覧ください。

 そこで、このブログを書いている僕(今一生)は、本の編集・執筆の仕事をしているので、1997年に『日本一醜い親への手紙』(メディアワークス刊)という本をCreate Media名義で企画・編集しました。

 この本は、親から虐待された経験を持つ10代から80代までの当事者100人が、自分のつらかった思いを「投函しない手紙」として自分の親向けに書きつづった手紙集です。

 その一部の内容は下記の動画で見れますので、子どもの頃に虐待されるということがどういうことなのか、4分間だけお付き合いください。


 『日本一醜い親への手紙』はその後、『もう家には帰らない』『子どもを愛せない親からの手紙』という3部作となり、角川文庫版も含めて約30万部のベストセラーになりました。

 そして、2010年7月には、『日本一~』と『もう家~』の2冊から100本の体験談を選んで収録した『日本一醜い親への手紙 厳選版100通』(ノンカフェブックス)として復刻しました。

 どんな親も子育てを始める前の「出産」の時点では、「無事に産まれてくれれば他に何も望まない」というピュアな思いがあったはず。

 そんな思いをすべての親御さんに思い出していただくために、『日本一醜い親への手紙 厳選版100通』と同時に、『パパとママからのラブレター 生まれてくれて、ありがとう』(ノンカフェブックス)という公募手紙集も刊行しました。

 その内容の一部を紹介する動画や、全国の取り扱い書店の情報は、このブログで読めます。

 しかし、こうした啓発キャンペーンだけでは、児童虐待は減りません。
 家にいられない子どもは、自分の心身の健康を守るために避難するしかないからです。

 それが、マスメディアの取材不足で非行少年扱いされたり、青少年健全育成の観点から警察では「虞犯少年」扱いされてしまう家出の現実です。

 それほど日本の児童福祉政策は手薄なのです。
 実際、10代の居場所を提供する支援施設は常に満杯。

 そのため、警察に捜索願が受理された件数を見ると、路上や見知らぬ場所へ出ていかざるを得ない未成年の家出人は年間で約2万人に達します。

 もちろん、これも氷山の一角。
 捜索願が出されない「プチ家出」を含めると、この何倍もの数の家出人がいると類推できます。

 そこで僕は、家出した後でも10代が完全に合法で自立できるノウハウを弁護士の監修の下で書いた『完全家出マニュアル』という本を1999年に発表しました。
 現在では、電子書籍として500円の安価で公開しています。

 ところが、こうした啓発やノウハウ提供をいくら続けでも、児童虐待の相談件数やその後「不幸の再生産」になる当事者の人生は変わりませんでした。

 もちろん、今日では児童虐待に対して企業協賛をつけた啓発キャンペーンは山ほどあります。

 しかし、その多くは、深刻な児童虐待や「不幸の再生産」を招く家出を経験した当事者の問題を取り除いたのかという社会的成果を問えば、費用対効果は決して良くないのです。

 こうした「児童虐待STOP!」の活動には、誰もが自分の職業技術や個性、人脈、経験などを活かして参加できる可能性と楽しさが豊富にあります!

 このサイトを通じて、あなた自身が今すぐ始められる「児童虐待STOP!プロジェクト」があることを知っていただければ、幸いです!

 誰もが自分の将来に希望を感じられる世の中を作るために、あなた自身も楽しめるプロジェクトを一緒に進めてみませんか?