『日本一醜い親への手紙 厳選版100通』(ノンカフェブックス刊)という本があります。
これは、親から虐待された当事者が自分の親に宛てて、「投函しない手紙」として虐待されたつらい思いをつづった体験告白の手紙集です。
1997年にメディアワークスから初版が発行され、その後3部作となり、角川文庫にも収録され、シリーズ累計の発行部数は約30万部にも上るベストセラーになり、児童虐待の深刻さに対する関心を高めるのに寄与しました。
精神科医や心理学者が虐待を分析して語るのではなく、虐待を受けた当事者自身が実体験を書いた手紙集は他になく、その内容は虐待された人にしか語れないリアルな痛みに満ちています。
(※このページの一番下に、本の内容の一部を紹介した動画があります)
多くのアーチストやクリエイターがこの『日本一醜い親への手紙 厳選版100通』を読んでいただければ、きっと作品の創作を通じて児童虐待に関心を持つ市民を増やすことができるでしょう。
そうなれば、1日に一人の職員が30件の虐待相談に応じているこの国の児童相談所の機能不全ぶりを改善するための予算UPを政治家も考えるようになるでしょうし、ふつうの市民も虐待を知った時に児童相談所や福祉事務所にためらわず通告し始めるでしょう。
そこで、僕(今一生)はアーチスト&クリエイターの方々に対して、「『日本一醜い親への手紙 厳選版100通』を読んで、児童虐待を止めるオリジナルの作品を作ろう!」と呼びかけたいと思います。
このプロジェクトを名づけるなら、「児童虐待STOP! アート・アクション」。
『日本一醜い親への手紙 厳選版100通』と同じタイトルのアート作品でも構いませんし、非営利事業や学校内での取り組みなら、ご一報いただければ原作料もいただきません。
また、入場料を徴収する商用の作品(演劇や映画など)を制作する場合や、本書の内容の一部を使う際も、ご一報いただければ、原作料をいただかないこともあります。
当方としては、『日本一醜い親への手紙 厳選版100通』をヒントに多くのアート作品が作られ、それが児童虐待に対する関心を高めるだけの社会的啓発として成立することが十分に果たされる表現内容であれば、全面的に協力したいです。
実際に作品を作られた場合、このサイトでもリンク集でお知らせしますし、新聞や雑誌などの記事にさせていただくことで広報面で支援させていただきます。
なお、『日本一醜い親への手紙 厳選版100通』と、これと同時刊行された『パパとママからのラブレター ~生まれてきてくれて、ありがとう』の2冊の印税の10%(本体価格の1%程度)は、紀藤正樹弁護士事務所を通じて千葉県君津市にある自立援助ホーム「人力舎」に寄付され、親元で暮らせない15歳以上の子どもたちの生活を支援するのに使われます。
つまり、この2冊の本が売れれば売れるほど、子どもたちの生活状況が良くなるんですね。
そのように、子どもたちと一蓮托生の「アート・アクション」を、ぜひアーチスト&クリエイターの方々に創造的に試みてほしいのです。
【アーチスト&クリエイターの方々へのお願い】
☆演劇
劇団や学校内で演劇部に参加している方なら、『日本一醜い親への手紙 厳選版100通』を全員で読み、これを原作としたオリジナル脚本で演出する舞台を作ってみませんか?
虐待された当事者の痛みをふまえる範囲であれば、脚色もかまいません。
最寄りの児童養護施設や自立援助ホーム、児童相談所などへ足を運び、虐待された子どもたちに取材するなどして、実際に虐待された当事者に「親への手紙」を書きおろしてもらい、それを当事者自身(あるいは役者)が朗読するという意欲的な実験作にも挑戦してほしいです。
単純に朗読をワークショップとして行うだけでも、地域市民からの共感が増え、町内会や家族などの単位で劇団のファンが増えたり、本公演の宣伝に協力してくれる人が増えます。
☆ミュージカル
『日本一醜い親への手紙 厳選版100通』だけでなく、ドイツ帝国を世界大戦へ駆り立てたヒットラーに幼児期の虐待体験があったことを紹介した『魂の殺人 ~親は子どもに何をしたか』などの書籍も参考にしながら、虐待によって個人だけでなく、社会全体へ深刻な影響を与える構図の恐ろしさを浮かび上がらせるオリジナルの脚本で舞台化してみませんか?
虐待は家族の内側の問題だけではなく、社会全体に大きな影響を及ぼすものなのです。
☆音楽
「児童虐待STOP!」をテーマにした歌を作ったり、『日本一醜い親への手紙 厳選版100通』にインスパイヤされたミュージシャンたちを集めて各人が作詞・作曲した楽曲を収録したコンピレーション・アルバムを作ってみませんか?
あるいは、前述の書籍からインスパイヤされた「児童虐待STOP!」のテーマソングを作り、「We are the world」のようにミュージシャン仲間みんなで歌ってYoutubeにアップしても構いません。
そのように制作した音源はCDにして店頭販売したり、有料ダウンロードできるようにし、売上の一部を日本全国の児童養護施設や虐待防止活動を行っているNPO、自立援助ホームなどに寄付したり、収益の一部を寄付するライブイベントを開催すれば、プロ・アマ問わず多くの有名・無名のミュージシャンが参加するはずです。
ミュージシャンもリスナーも、音楽を楽しみながら無理なく社会的弱者を支援できるモデルを作り、増やしていけると思います。
☆映像(ドキュメント)
自立援助ホームや児童養護施設などで暮らす10代に取材したり、夜な夜な深夜の路上を徘徊する家出人の10代を追跡取材し、親元で暮らせない事情を当事者が語り始めるまで、延々と話を聞いてみませんか?
家出人の探し方、声のかけ方などは、家出取材を長くやってきた僕(今一生)が相談に乗ります。
完成したドキュメント映像は、世界共通のテーマのため、国内外の映画祭で上映できるでしょう。
☆映画(劇映画)
『日本一醜い親への手紙 厳選版100通』は既にベストセラーとして認知されており、同時に児童虐待の相談件数は右上がりを続けているため、劇場公開作としての企画が通りやすいはず。
同題でも、オリジナル脚本を執筆してもらって構いません。
脚本の出来次第では、製作資金を調達するお手伝いもさせていただきます。
☆テレビドラマ
『日本一醜い親への手紙 厳選版100通』には100人の体験談が収録されていますが、その中から3人の体験を元に2時間枠でドラマ化してみませんか?
児童虐待に関する専門用語や取材も交え、必要なら監修協力させていただきます。
☆ビデオ
PV(プロモーション・ビデオ)の制作を本業にしている方なら、日頃お世話になっている企業や有名アーチストを誘い、「児童虐待STOP!アート・アクション」として児童虐待を防止するための啓発ビデオを作ってみませんか?
たまに全員ノーギャラで仕事をする非営利活動を行うと、3分程度の短編でも、Youtubeにアップすれば話題になったり、質の良い仕事につながっていきます。
そこでスタッフ&キャストを募る際に、『日本一醜い親への手紙 厳選版100通』を手渡せば、ノーギャラでもやる意味の大きな仕事だと理解してもらえると思います。
☆ラジオドラマ
ラジオ・ディレクターをしている方なら、朗読劇として『日本一醜い親への手紙 厳選版100通』の内容を再構成したラジオドラマを作ってみませんか?
虐待された当事者を探し、自ら書いた体験告白文を読み上げてもらったり、子役の声優を起用して『日本一醜い親への手紙 厳選版100通』を朗読してもらうなど、顔も名前も出せないという匿名性を逆手にとって児童虐待における深刻さを浮き彫りにしてみませんか?
☆小説
プロの小説家なら、『日本一醜い親への手紙 厳選版100通』をお読みの上、虐待された当事者を取材し、そこからインスパイヤされた小説を書いてみませんか?
こちらでも、取材対象者を紹介するなど、できるかぎり協力させていただきます。
☆マンガ
プロの漫画家なら、『日本一醜い親への手紙 厳選版100通』を原作にしたマンガを描いてみませんか?
「児童虐待STOP!」アクションとして、有名な漫画家さん方が短編マンガを描き、アンソロジーとして1冊にまとめて出版すれば、それ自体が話題となり、児童虐待をもっと多くの人に知らせたり、子どもたち自身が自分の受けている行為を「虐待」だと認知できるチャンスにもなります。
☆写真
体罰などの身体的虐待は、病院の小児科で医師が発見することがあったり、心理的虐待によって自己評価を低められた子どもは自分を責めるため、リストカット(※手首切り)などの自傷癖の傷跡を残していることがあります。
そのように、虐待が原因で「見える化」している傷跡や、プライバシーに配慮した顔の表情などを、写真に残し、写真展や写真集という形で社会に公開しませんか?
そこに、当事者自身が傷について語った文章が掲載していれば、虐待の深刻さを端的に示すことができます。そこで、『日本一醜い親への手紙 厳選版100通』からの引用が役立つと思います。
☆デザイン
「児童虐待STOP!アクション」をもっと増やすために、キャッチーで端的に伝わるキャンペーン・ロゴをデザインしてみませんか?
児童虐待の防止活動を行っているNPOも含め、非営利活動団体をロゴ・デザインで応援することが、デザイナーにはできます。
1点もののデザインに満足な額面のギャラを出す余裕はどこの非営利活動団体にもないので、その時点ではボランティアになってしまうことがあります。
しかし、たとえばそのロゴのついたTシャツやハンカチなどの商品企画として成立させ、売り上げをメーカー・団体・デザイナーで分配すれば、どこの団体でも歓迎されると思います。
「男前豆腐」のように一見地味な豆腐という商品をポップで親しみやすい商品に変えた人がいるように、デザインの力で「児童虐待STOP!」というメッセージをJohn&Yokoの「War is over!」と同じくらいカッコ良くて世界中に広まるような商品・作品として量産してみませんか?
☆美術
『日本一醜い親への手紙 厳選版100通』で描かれた虐待の痛みを、油絵・彫刻・現代美術などのビジュアル作品に昇華してみませんか?
また、児童虐待に関心のある国内外のアーチスト仲間を募って、企画展をやってみませんか?
児童虐待は、世界共通の社会問題であるため、ビジュアル作品ならwebでの展覧会を通じて虐待防止のマインドを世界中に広めることができます。
☆書道
プロの書道家や書道サークルの学生なら、『日本一醜い親への手紙 厳選版100通』に「被虐待」の当事者自身が書いた言葉のフレーズや、新たに当事者にヒアリングして心に残った言葉を書道作品にした展示を行ったり、書道パフォーマンスとして当事者たちの言葉を大声で叫びながら大きな文字を床一面に描くようなイベントを開催してみませんか?
そうした書道作品をプリントした葉書やTシャツなどを作って販売し、その収益を児童虐待の防止活動を行うNPOなどへ寄付すると、児童虐待をその分だけ減らすお手伝いができます。
☆広告
子ども向け・親向けの商品・サービスを売っている企業をスポンサーにし、広告作品として「児童虐待STOP!アクション」を啓発してみませんか?
テレビCM、ポスター、雑誌の記事体広告などで、『日本一醜い親への手紙 厳選版100通』の一部を紹介する広告作品を制作したり、「児童虐待STOP! アート・アクション」を行うアーチストたちを支援するプロジェクトを始めてみませんか?
こうした社会貢献的な広告を展開すると、大企業のCSRの部署ともつながり、仕事の幅が広がります。
(注:動画にある電子書籍版は、現在は発売されておりません。復刻版の書籍である『日本一醜い親への手紙 厳選版100通』をお買い求めください)
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